三立マガジン
- vol.7
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「ただいま」と言ってしまいそうなほど アットホームで居心地のいいお店。
中谷 明史さん
天竜浜名湖線の二俣本町駅から歩いて約8分。二俣町のメインストリート「クローバー通り」沿いにある「Kissa&Dining 山の舎」は、誰もが自分の家のように寛げるお店として幅広い世代に人気です。実はこの建物、以前は「ヤマガラコーヒー」という珈琲豆の専門店で、当初は私たち「三立木材」が新築工事をさせていただきました。
天竜の無垢材と漆喰の塗り壁がおりなす店内は、山小屋のように素朴でぬくもり豊かな空間。店のドアを開けた瞬間、思わず「ただいま」と言ってしまいそうなほどアットホームな雰囲気です。シンプルで飾り気のない造りですが、窓から注ぐ陽光に照らされた白壁の質感や、天竜杉のやわらかで温かみのある感触、優美な木目が居心地の良さを感じさせます。
有機的なやさしさ、やわらかさに包まれた空間は
二俣のまちの雰囲気にぴったりです。
「この店の持ち味である自然素材の有機的なやさしさ・やわらかさは、二俣のまちの雰囲気とよく似ています。建物が素敵だと料理もより見映えがするから不思議ですね」と話すのは、オーナーの中谷さん。昼間はカフェ、金・土曜日の夜はバーに様変わりするお店は、「ヤマガラコーヒー」で焙煎された美味しいコーヒーと、素材の味を生かしたシンプルな料理が自慢。「野菜たっぷりBLT」や「天竜ハムのクロックマダム」、「具だくさんのポテトサラダサンド」などが定番人気です。夜のバーは、中谷さんがバーテンダー時代に腕を磨いたカクテルやビールと、お酒に合った料理を提供しています。野菜は地場産にこだわり、ハムやベーコンなどは地元の精肉店「天竜ハム」の商品を使用するなど、地元の店をできるだけ利用しているそうです。
「いつか自分の店を持ちたい」
その夢にふさわしい場所との出会い。
店のオーナーの中谷 明史さんは、私たちのまち・二俣町の出身。いつか自分の店を持ちたいと考えていた中谷さんは、東京の大学で醸造について学び、バーテンダーや不動産の仕事をして、夢の実現に向けて着々と準備を進めてきました。「不動産の仕事をしていた頃、たまたま帰省して二俣のまちをぶらぶら歩いていたら、ヤマガラコーヒーさんが移転して空き店舗になっていたのを偶然見つけたんです。こんなに素敵な建物なのにもったいないと思い、自分の店を出そうと決意しました。」と、中谷さんは開店のきっかけを語ります。
二俣を、「新しい何かが始まるまち」にしたい。
二俣は山への入口であり、出口でもある「門」のようなまち。そこで中谷さんは、この店を拠点に人が集まり、出会いが生まれ、さまざまなコミュニティが立ち上がることで、二俣町を「新しい何かが始まるまち」にしたいと考えました。
「まちをつくっているのは人。住んでいる人が楽しく幸せそうに暮らしている風景が外に伝われば、自然と人が集まって、結果的に副産物として街ににぎわいが生まれるのではないでしょうか。だから、地元の方々も、街中からやってくる方々も、この店で自分の家のように寛いでいただけたら嬉しいです。仕事や勉強をして長居をしてくれても構いません。何時間でも、好きなだけ、ここにいてほしいです」
天竜と二俣の魅力を発信し、
アクティビティの拠点として活躍。
オープン後、店を通じて徐々に人と人とのつながりが生まれ、さまざまなイベントが企画・開催されるようになりました。月に1度、キャンドル作家さんとのコラボによって開催するキャンドルナイトは毎回満席で、予約が必要なほど好評です。2017年の夏には、商店街のイベントに合わせて路上でビアガーデンも開きました。さらに、2017年9月からは川下りの紹介サイト・URANIWAを開設。バッククラフトのツアーなども企画するほか、川遊びやサイクリング・トレッキングなど山を楽しむ拠点として、さまざまな形で天竜・二俣の魅力を発信しています。山の舎を第二の家と慕う人々が集まって、二俣のまちを愛する人々が増え、より活気あふれるまちへと発展していくのが楽しみですね。
- 山の舎
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【住所】浜松市天竜区二俣町二俣1283-1
【営業時間】
(昼の部) 月・火・木・金・土・日 11:00~17:00
(夜の部) 金・土 19:00~24;00
【定休日】月曜中谷 明史(なかたに あきひと)さん
■プロフィール
1990年に浜松市東区小池町で生まれる。中学1年生の時に天竜区に移転。高校を卒業後、東京農業大学 短期学部に進学。大学で醸造について学んでいたため、お酒のことをよく知るためにバーテンダーのアルバイトを始める。卒業後はバーテンダーとして2年半腕を磨き、その後は不動産会社に就職。2年間務めた後、故郷の天竜区に戻り、2015年に「山の舎」をオープン。