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椿物語 最終話
最終話 《住まいの外構について》
椿の敷地と同じように、細長い土地に建つ京町家。
京町家の外構というと、部屋と部屋の間に設けた坪庭です。
坪庭は風がすーっと通って夏は涼しく過ごすことができ、
漆喰の壁に光が反射して部屋を明るくします。
このような機能面だけではく、密集した京都の町では、町に暮らしながらも
自然と共存できる大切な要素のひとつです。
日本の庭の構成は自然庭園式であり、西欧の整形庭園式とは異なります。
その違いは自然への捉え方であり、
西欧では文明の力で自然に勝つという感覚が強く
自然を幾何学的な秩序ある形態に加工し、
シンメトリーな美しさで表現します。
日本では自然には勝てないという考えをもち、
季節で移り移りかわる時間的な美しさを
アシンメトリーな構図で表現します。
朽ちていく自然の摂理さえも美しさとして受け入れる自然感が
いわゆる侘び寂びという日本独自の価値観となっています。
日本人は四季の移ろいに敏感で、自然に対して感受性の鋭い国民性が育まれてきました。
春には桜を、夏にはひまわり、秋にはモミジの紅葉、冬はしんとした空気の中、
赤く染まる椿に力強さを感じる。
私たちは自然を眺めながら想像をしたり、
物事を感じ取る豊かな文化や発想を大切にしているのです。
(モデルハウス 椿 アプローチ)
モデルハウス 椿の外構は、入り口には高さに強弱をつけた
植物をあしらい空間に奥行きを与え、大きな鉄平石に重厚感を感じながらも
夏には打ち水をして涼しさを感じることができます。
駐車スペースは砂利のみとし、アプローチの上品は雰囲気を邪魔しません。
奥の庭にはデッキをしつらえ、狭い敷地でも広く感じられます。
また、古くから私たちに馴染みのある景物、つくばいをしつらえると
重厚な日本の庭を演出することができます。
シンボルツリーには姫椿の木を植え、成長していくと2階からも
小さな白い花を愉しむことができ、隣からの視線を遮ってくれます。
(モデルハウス椿の奥庭)
【椿物語とは】
三立木材がつくる注文住宅、天竜そだちの家
天竜そだちの家とは、
どのような住まいづくりなのか、
わたしたちだからこそできる
住まいづくりとは何か、
どのような暮らしを提供したいかを考え、
かたちにすることにしました。
そのコンセプト、住まいづくりへの想いを全4回にわたり
椿が完成するまでの物語として記録していきます。
第1話 住まいのコンセプトについて
第2話 住まいの性能について
第3話 住まいの素材について
最終話 住まいの外構について